双子の妊娠がわかったら、一卵性と二卵性などの双子に関する知識を勉強するのも、双子妊娠への理解を深めるのに役に立つかもしれません。ここでは、双子に関する豆知識をまとめてみました。
一卵性と二卵性
双子には一卵性と二卵性の二種類があります。
- 一卵性は、もともとひとつの受精卵がなんらかの理由でふたつに分かれ、そのまま育っていったもの
- 二卵性は、別々の受精卵が育っていったもの
異性の双子や、同性でも血液型が違う双子の場合は二卵性になります。一卵性の双子はDNAが一緒なので性別や血液型は同じものになります。
しかし、双子タレントのマナカナちゃんは二卵性だと思っていたら実は一卵性だったというケースもあるように、同性の双子の場合はDNA鑑定をしないと正確な判断はできないようです。
双子ができる要因
よくある勘違いが、「1つの卵子に2匹の精子が受精して双子ができた」というものですが、そうではありません。(※注)
女性は妊娠してどのくらいです
一卵性の双子はまったくの偶然で誕生するものといわれています。何かの作用で受精卵が分割されるために双子となるのですが、その原因は現在でも解明されていません。
遺伝的要素はないといわれていますが、身内に双子がいるケースも見られるようです。
二卵性の双子が誕生する要因は、遺伝的要素が強く、特に女性側の家系で二卵性の双子がいると二卵性の双子が産まれやすいようです(多排卵になりやすい体質)。現在では、不妊治療による多胎妊娠も増えています。
(※注)2007年3月に、1つの卵子に2つの精子が受精して生まれたとみられる「準一卵性双生児」ともいうべき珍しい双子の存在が明らかになったそうです。("第3の双子"を確認(2007年3月27日付、共同通信 http://www.47news.jp/CN/200703/CN2007032701000228.html)
双子の出生数
双子の出生数は年々増加しています。これは、厚生労働省から発表する「出生に関する統計」 に具体的な数値が出ています。
(3)単産−複産の種類別にみた出生
流産/何それらの原因は?
単産−複産の種類別に出生数をみると、ほとんどは単産であるが、出生数の減少が続くなか、複産の増加傾向がみられ、平成16年は単産の出生が109万人、複産の出生が2.5万人となっている。これは、複産の大部分を占める双子の増加によるものである。(図16)
注: 単産とは単胎で生まれた出生であり、死産は含まない。また、複産とは双子・三つ子等多胎で生まれた出生であり、死産は含まない。
図16 単産−複産の種類別にみた出生数
−昭和50〜平成16年−
厚生労働省. "平成17年度「出生に関する統計」". 2005. http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/syussyo05/syussyo3.html. (参照 2008-03-27)
これによると、平成16年度(2004年度)の多胎(双子、三つ子以上)の出生率は、約2.2〜2.3%ということになります。100人に2人は双子がいると考えると、意外と多いですね。
流産の可能性は何ですか
このグラフを見ると、1990年以降は多胎の数が増えているのがわかりますが、これは不妊治療における排卵誘発剤(hMG)や体外受精などの影響で二卵性の双子が生まれる割合が増えたことによるものです。また、1996年までは一卵性の双子の出生数が二卵性よりも多かったのですが、97年を境に逆転しています。
膜性診断(一絨毛膜性と二絨毛膜性)
「膜性」とは聞き慣れない言葉ですが、絨毛膜と羊膜の数による区分のことをいいます。双子妊娠では「膜性」がとても大切ですので、妊娠初期のうちにかならず診断してもらいましょう。
絨毛膜は、赤ちゃんのいる部屋の壁のようなもので、これが2つなら「二絨毛膜性」、1つなら「一絨毛膜性」となります。絨毛膜は胎盤の一部を作ることから、「一絨毛膜性」には胎盤がひとつ、「二絨毛膜性」には胎盤がふたつできます。羊膜は、それぞれの赤ちゃんを包む膜のことで、一絨毛膜性の場合は「一羊膜」と「二羊膜」に分類されます。羊膜は絨毛膜の内側に位置することから、二絨毛膜性の場合は「二羊膜」になります。
膜性と卵性の関係
※二絨毛膜一羊膜は存在しません。
胎盤を共有している「一絨毛膜性」の場合は、妊娠中にいろいろなリスクが生じる可能性が高くなるため、妊娠中の経過を慎重に見ていく必要があります。そのため膜性診断はとても重要です。この膜性診断は、妊娠12週を過ぎると診断しにくくなってしまうため、双子妊娠がわかったら初期のうちにできるだけ膜性診断をしてもらいましょう。
参考URL:日本双生児研究学会ホームページ 「ふたごの発生」
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